WORLD SIMULATION LABORATORY / WORK 01

盲目で在れ

識別番号:SOKKIKISHIKI-01
分類:詩
記録年:2026
演習者:推合錐
「その意義を知りうるにたらしめる価値とは?」
「いとも容易く傲慢を定義付けるのだな」

「それこそが、と続けた所で
(視界の端に座る老人はしだらなくベンチからずり落ちていく)
恐らくきみが今も尚続けてきた幾数の言葉でしか無いのだろう」

「何を望まれようとわたしは成すことが、『成すを成さず』を成すことさえ」
「であれば、自由意思という名の牢獄の下で、改めて、形振りを倣えば良いんじゃないか?」

(数えてごらん。幾数もの台詞。台本仕込みの、手入れのすっぽかされた言の葉)

傲慢の形なり。
嘘吐きの時間はもう終わり。
「それってあたし、言われてるよ」

「手違いの一人、なんだものね?」
視界は揺れる。揺らぐ。

瞼の外を焼き付ける度、心象を言語にて表する過程プロセスは初期化される。
幾ら口遊んだ所で無駄なの。嘆いた所で全く同一の心象が現れることは無いの。

訳も無い涙が眼まなこの横を突っ切る。
枕に濾過される。解かすことすら成らない雑念混じりの涙がシーツに濾され、床に真なるものだけが残る。

スチール。魚。プラスチックの処刑。
q
ドポネ・ひし・酒カクテル

「そんなものを盲信しているのか」と蔑みそうになる。

「耳を攲て続けて……
そうしたら分かるかもしれないの。」
そこに意識は無い。
ただただ眺め続けるだけの、感触を騙る即自が在るのみ。

「患っていると言えば、そうかもね」
煩わしく、喧めく。

「幻滅した?」
「いいえ。幻滅する程あなたに期待していなかったから」

君が為に降る隕石。
示し合わせる。懐かしい声で騒めき出す。
「ほら。私の世界、崩れてる」

「限りなく正直で在りたい」と願う。
複数の意思に埋もれたとて、微かながらもそこに存ずる事実は否めない。

「胸底むなそこの奥、待ち受けてなんかない」